【プロフェッショナルのマインドセットとは?】(1/3)
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<幾重にも重なるレイヤー、異なるスタンダード>
世の中には幾重にも重なるレイヤーが存在しており、
「人それぞれに異なる基準値が存在する」ということを知らない方は、意外と多くいらっしゃいます。
ここまでやって当然でしょ?
これをやらないと気持ちが悪い。
気づいたら、こうしているのが普通だった。という、当たり前の基準。
これ以下では、自分が耐えられない。
だから、なんの苦もなくそれをするのがごく自然である、という最低ラインの基準値。
この「最低ラインの基準値」のことを「スタンダード」と呼びます。
例えば、朝起きたら顔を洗い、食事をしたら歯磨きをする。
多くの社会人が毎朝当たり前にしているスタンダードです。
このスタンダードをお持ちの方は、
顔を洗わず、歯も磨かず、髪も整えずに外出することをイメージしたらゾッとしますね(笑)
しかし、中には顔を洗わず、髪も整えず外出する人も実際に存在します。
他の例で言えば、
「あなたはパジャマでどこまで行けますか?」
私の回答は、寝室まででした。
私にとってパジャマは寝るための洋服だからです。
ですが、同じ問いに対して
「Tシャツとジャージで寝ているので、そのまま着替えずに電車に乗ってダンス教室まで出かけている」と回答された方もいらっしゃいました。
お互いに雷を受けたような衝撃を受けた瞬間でした。
これが、スタンダード(最低ラインの基準値)の働きです。
同様に、起床時間、仕事の進め方、仕事の水準、行動の全てにおいて、私たちはそれぞれのレイヤーで、それぞれに異なるスタンダードを持っています。
<スタンダードを引き上げる>
前述の通り、世の中には、幾重にもなる異なるレイヤーが存在しており、それぞれが当然と思えるスタンダード(基準値)を持ち、それぞれのセオリー、ルールに則って日々を営み、仕事をしています。
面白いことに、人は、今、自分がいるレイヤーから下の世界しか見ることができず、
自分より上のレイヤーにいる人には、自分のいるレイヤーのことも全て見えています。
3階の住人のベランダからは、3階から1階までの景色のみが見えて、
10階の住人には、10階から1階までの景色が見えるのと似ています。
ですから、上司やマネージャー、トップマネジメントが見ているものと、新人、部下であるメンバーが見ているものは異なり、視野の広さや視座の高さの違いから判断基準が異なるのは、とても自然なことなのです。
私たちは、無意識に自分に見える範囲の世界のみが世界の全てと錯覚してしまうことがあります。
そのため、自分が今いる場所より上に存在している、自分とは全く違う基準値で動いている世界の存在に想像力を働かせる力が乏しかったり、興味を持てないと、その先の世界を知り得る事はできません。
また、その存在に気づいたとしても、自分とは違う世界のことだから、と深く知る前に選択肢から除外してしまうケースもあり、その場合も同様に自分の世界が広がることはありません。
多くの場合、スタンダードは無意識に形成されていますが、学生からビジネスパーソンとしてプロフェッショナルに変貌を遂げる、新人からリーダーに、リーダーから管理職にといった、今いるステージから全く違うステージへ移行する、というシーンでは、意識的に意図的に、スタンダードをこれまでとは異なるプロフェッショナルの水準に引き上げる必要が生まれます。