【国際労働機関(ILO)報告書】管理職のジェンダーの多様性を追跡している企業のほぼ4分の3が5〜20%の増益を報告
国際労働機関(ILO)は2019年5月22日、世界70カ国約1万3,000社の調査結果をまとめた報告書『Women in business and management: The business case for change(ビジネスと管理職における女性:変化すべき事業上の根拠・英語) 』を発表。
この報告書によれば、管理職のジェンダーの多様性を追跡している企業のほぼ4分の3が5〜20%の増益を報告、国家レベルでは、女性の就業率の上昇と国内総生産(GDP)の伸びが正の相関関係を示していることを見出しました(186カ国の1991~2017年のデータを分析)。
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報告書をまとめたILOデボラ・フランス=マッサン局長は
「ジェンダーの多様性と企業の成功との間には正の相関関係が存在するだろうと期待はしていましたが、得られた結果には正に目を見開かされました。
企業が利潤をわずか2~3%上げるために他の分野で行っている努力を考えると、この重要性は明白です。企業はジェンダーのバランスを単に人材の課題としてだけでなく、経営課題(損益の課題)として捉えるべきです」
と説いています。
(原文)
“Companies should look at gender balance as a bottom line issue, not just a human resource issue.”
Deborah France-Massin, Director of the ILO Bureau for Employers’ Activities
“We expected to see a positive correlation between gender diversity and business success, but these results are eye-opening,” said Deborah France-Massin, Director of the ILO Bureau for Employers’ Activities. “When you consider the efforts companies make in other areas to get just an extra two or three per cent in profits, the significance is clear. Companies should look at gender balance as a bottom line issue, not just a human resource issue.”
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【国際労働機関(ILO)報告書 2019.5.22】
『Women in business and management: The business case for change(ビジネスと管理職における女性:変化すべき事業上の根拠・英語) 』
アジェンダ
第1章「性に関して多様な人員構成とすることの事業上・経済的な根拠」
第2章「ビジネスと管理職におけるジェンダーの多様性」
第3章「取締役会及び企業統治の場におけるジェンダーの多様性」
第4章「より幅広いビジネス環境の変化」
【報告書ダウンロード(英語)】
【ILO記事関連記事】
Women in leadership bring better business performance(英語記事)
▶︎https://www.ilo.org/global/about-the-ilo/newsroom/news/WCMS_701767/lang–ja/index.htm
ILO新刊-女性リーダーの存在は企業成績の向上をもたらす(日本語記事)
▶︎https://www.ilo.org/tokyo/information/pr/WCMS_703616/lang–ja/index.htm
【国際労働機関(ILO)とは】
国際労働機関(International Labor Organization)
1919年に創設された世界の労働者と生活水準の改善を目的とする国連と協定を結んだ最初の専門機関。本部はスイス・ジュネーブ。加盟国は187ヶ国(2019年3月現在)。日本政府は再加盟後の一時期を除き、1919年の創設以来、常任理事国の地位を占めている。