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Equityとしてのスポンサーシップ

伴走支援している通信大手企業のスポンサーシッププログラムの一貫として、スポンサー研修に登壇しました。

スポンサーシップ制度とは、経営人材候補として選抜された優秀な人材に対し、二階層上の役職者(一般には執行役員以上)がスポンサーとなり、マンツーマンで次期経営人材を育成・支援する仕組みです。

今回の研修では、構造的不均衡を是正するためのエクイティ施策としてのスポンサーシップの意義や、1on1を通じた成長支援のあり方、さらには評価に潜むバイアスや組織風土の改革について、多角的にお話ししました。

スポンサーシップの本質とは:優秀人材の可視化(ビジビリティ)を担う“保証人”の存在

メンタリングが心理的支援であるのに対し、スポンサーシップは昇進を前提とした具体的な支援。経営層が、自ら選抜された人材の「保証人」となり、優秀人材の可視化(ビジビリティ)、機会の創出(オポチュニティ)、ネットワーク構築の橋渡し(ネットワーク)、そして“空気のカバー(エアカバー)”まで担います。

スポンシー(育成対象者)の中には「目標達成型」と「価値観重視型」が存在し、それぞれに合わせたアプローチが必要です。ある人は明確な目標を持ち、またある人は、本当に自分にその重責が担えるのかと、自分を信じきれずにいます。スポンサーはそれぞれの“現在地”に寄り添いながら、オーダーメイドの関わり方を選びます。

なぜ今、エクイティが必要なのか?

日本社会においては、平等意識が根強く、エクイティ=公正性の理解が広がりにくい傾向にあります。しかし、実際には企業内にはジェンダー、国籍など、あらゆる構造的不均衡が今なお存在しています。これを是正し、誰もが力を発揮できる環境を整えることこそ、DE&Iの本質であり、企業価値創造の源泉となると考えます。

実践知:1年間の「伴走」が成長を加速させる

当社がご提供するスポンサー研修では、スポンサー経験者と新任スポンサーとが実践知を共有できる設計をしています。

今回共有された事例の中でも印象的だったのは、スポンシーの変化を生み出す、一貫したスポンサーの成長支援です。

目指すリーダー像を言語化し、不安を乗り越えて自信へと変える——その過程には、スポンサーによる丁寧な問いかけ、会議同席後のフィードバック、機会提供など、“コーチング型”の関わりが一貫してありました。

また、スポンサー同士が協同して行う「戦略会議」も当社独自のユニークな取り組みとして、高い評価を得ています。支援の方法を共有し合い、実践知を学び合うこの場からは、“組織全体で支える文化”が芽生えつつあることが感じられました。

最後に:育成に必要なのは「愛」

「スポンサーシップは愛のプログラムです」。これは研修の中で共有された言葉です。発展途上にある一人ひとりの可能性に対して、信じて関わる。この精神こそが、リーダーの育成、そして組織の風土改革の根幹になるのだと、改めて実感しました。

多くの企業がDE&Iを“取り組むべき課題”として認識している今こそ、本質的な理解と実践が求められています。今回の経験が、少しでも皆さまのヒントや勇気になれば幸いです。

Equityとしてのスポンサーシッププログラムにご関心ある方は、お声かけください。


 

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