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川嶋治子『VUCA時代のリーダーが身につけるべきものとは?』

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VUCAの時代のリーダーが身につけるべきものとは?

今の時代・ビジネス環境を端的に表す言葉「VUCA時代」。

その時代背景を読み解きながら、VUCA時代のリーダーシップの考え方について弊社代表川嶋がインタビュー形式で解説いたしました。

これまでの時代と現代のリーダーシップのあり方の変化

ーー:今、時代の変化がとても速いと言われていますが「リーダーシップのあり方」についてこれまでの時代と現代のリーダーシップのあり方はどんな風に変わってきているのでしょうか? どんな風に変えていかなければいけないのか、どんな風に変えていけばいいのかについて教えていただけますでしょうか?

弊社代表川嶋治子(以下川嶋):とてもいいご質問をありがとうございます。

実はこのテーマは、直近で講演のご依頼がとても多かったり、どのクライアント様でも研修で扱って欲しいというご依頼が多いんですね。それはやはり、それだけ時代の変化を現場でビジネスに取り組むリーダー層も会社も感じていて課題感を強く持たれているということだと思うんですね。そこで、いつもお話ししているのが、今の時代をどう読み解くかという視点がまず大事ですよ、というお話です。

今の時代・ビジネス環境を端的に表す言葉として「VUCAの時代」という言葉、耳にされたことありますか?

ーー:VUCAの時代。

川嶋:はい、英語だと 「VUCA World」 と言うんですけれど、VUCAというのは4つの英語の頭文字 をとってVUCAと言います。

VはVolatility変動性、UはUncertainty不確実性、CはComplexity複雑性、AはAmbiguity曖昧性という4つの英語の頭文字をとってVUCA。

この言葉は、ダボス会議(世界経済フォーラム)で今のビジネス環境を端的に表す言葉として使われたのがキッカケでビジネス用語として使われるようになった言葉なんですが、元々はアメリカの軍事用語だったそうです。先行き不透明で変化が激しくて、確実性が乏しく複雑で曖昧模糊な状況でどうするのか、という時にその状況をを表す言葉として使われていたところから、 現代の変化のスピードがとても速くかつドラスティックな変化が起こる、先行き不透明で過去からの延長線上に未来予測が立てにくい現代のビジネス環境を端的に表す言葉として、今、ビジネス用語になっていると。

ーー:なかなかハードな状況ということですよね。

川嶋:そうですね。とてもポジティブに言うと、とても面白く、やり甲斐のある時代。 現実に実際にビジネスをリードしていくリーダーや組織を率いる管理職の方々にとってはなかなかハードな時代とも言えるかもしれません。 画一的なマネジメントをしていれば機能すると言う時代背景ではないので。

ーー:昔はそれでも良かった時代もあったけれど、と言うことですよね。

多様性の時代へ

川嶋:そうですね。おっしゃる通り、昔はみんなで経済成長を一気にしていた時代が日本にもあって、その頃は経験値の高い方が知識と経験を豊富に持っていてあとからついてくる部下や若者達がそれを学んでいく、 統率の取りやすいマネジメントが出来た時代があるんですよね。組織の力が集結してマネジメントしやすく効率的だった時代。 そうすると、管理職の方達のマネジメントの仕方は今ほど複雑ではなかったはずなんですよ。今、これだけのスピードで社会の変化が起こっていて、かつ、組織の中で一緒に仕事をする人達も団塊の世代、団塊ジュニア、ジェネレーションX、ミレニアルズ、ジェネレーションY、Zまで!

ーー:いろんな人がいるってことですよね。

川嶋:そうなんですよ。これだけの方達が一つの組織の中で一緒に仕事をしていると、たとえば全員が日本人で同じ国籍だったとしても、生きてきている時代背景が違えば、価値観も常識も感覚も違うわけです。

ーー:違いますよね。

川嶋:更に男性も女性もLGBTQの方達もいて、多様な国籍の方もいて、という風に非常に多様性のある人材で仕事をしている。かつ、外的環境はVUCAであると。

ーー:凄い・・・

川嶋:凄いですよね。なので、ポジティブに言うと、それだけ面白くてやり甲斐がある時代のリーダーであり、今までに前例のない形でリーダーシップを発揮しなければならない環境に現代のビジネスリーダーは直面していると言えるのではないかと思います。

ーー:なるほど。

川嶋:前提として、まずは世界はこのように動いていて、かつ我々が属する組織の中もそれだけ多様性がある、ということが背景にありますよ、と。

ーー:まずそこを自覚しないといけないわけですよね。

川嶋:そうですね。そうすると、一世代前の形のリーダーシップは、そのままでは今の時代もしくはこれからの先の時代には機能しないと考えたほうがいいんじゃないか、ということですね。

ーー:なるほど。

リーダーシップの基本はLead Yourself

川嶋:では、その上で、どうしたらいいか?ということなんですが、すでに画一的なリーダーシップが発揮できなくなっているので、まず一つは、外的環境がこれだけ変動性が高くて不確実性が高いので、リーダー自身が自分の内側にキチッと拠り所を持つということが大事です。

ーー:内側にキチッと拠り所を持つ。

川嶋:はい。私たちは「自分軸」という言葉を使うんですけれども。

リーダーシップには4段階あって、一番最初が「Lead Yourselfー 自分を導く」、次が「Lead the Peopleー 人を導く」、3段階目が「Lead the Organizationー組織を導く」、最後が「Lead the Societyー社会を導く」と進んでいくんです。その一番最初がLead Yourselfなんですね。 そして、リーダーシップの根本はやっぱりLead Yourselfなんですよ。

リーダーにとって、外的環境がこれだけ速く変化をして、かつマネジメントする対象者、組織の中で働いているメンバーは部下やチーム、色んなメンバーがいます。という風になった時に、自分の外側は多様性と変化が激しいので、自分の内側に拠り所を持つことがLead Yourselfの中にも入ってくる。

それを私たちは「自分軸」という言い方をしているんですね。

ーー:自分を自分でリードする「自分軸」ですね。

川嶋:そうです。まず、自分を自分でリードする自分軸。 リーダー自身が自分の内側に拠り所を持つという風にすると、外的環境の変化のスピードが速かったり、多種多様なメンバーをマネジメントしていくというときに、リーダーの状態は良くも悪くもメンバーに影響を与えるので、とても大事になってくるんですね。 このプロジェクトはもう絶体絶命だと思ったとしても、絶対にビジョンを信じて疑わないリーダーが一人いるだけで、メンバーのやる気が鼓舞されて引き出されたり、その逆もありますよね。 良くも悪くもリーダーは影響力があるんですよ。一緒に仕事をする関わる人達に。

なので、自分軸を持つことでよりポジティブな影響力を発揮することができます。

また、リーダーも人間なので、不安にもなるし揺らぐこともありますよね。でも、自分が返ってくる拠り所があれば、また本来の自分の状態に立て直した状態で戦略を立て直したり、人へのコミュニケーションを始めることができます。 リーダーが自分の内側に拠り所を持つ、Lead Yourself firstを今まで以上に重要視していくということがまず一つですね。

ーー:なるほど。どうしてもリーダーというと、人を導くから、人への影響力、人への影響力、と外へ意識が向きがちかもしれませんけれど、まずは自分自身ということなんですね。

川嶋:その通りです。 特にこれだけ変化の激しい時代だからこそ、自分の内側に拠り所を持っている人に人はついていきたいと思うんですよ。

ーー:なるほど、そうですよね。ブレブレの人にはついていきたくないですものね。

川嶋:この船どっち行っちゃうのかな?という風になると・・・ね。 最終的にはリーダーもフォロワーも、つまり上司になる管理職の方もチームのメンバーの方全員、部下の方も全員が自分の内側に拠り所を持つということは大事なことなんですけれども、 こういう時代だからこそ、リーダーシップを発揮する側の人たちはついてくる他のメンバーのためにも自分の拠り所をキチッと持っていくことが実は、より良いリーダーシップの発揮に繋がるし、 メンバーが安心して一緒にその方向に向かって行きたいという気持ちを想起させる原点になるということですね。

ーー:この人の船に乗ってみたい。向かいたい。一緒に行きたいっていう気持ち。

川嶋:この人のビジョンに私もかけてみたい。この人が言うなら頑張れる。 能力以上に人の心をどれだけ力づけられるか、ということもリーダーは大事ですからね。

ーー:そのために身につけておいた方がいいことについては、また次回インタビューさせて頂いても宜しいでしょうか。

川嶋:もちろんです。次回はリーダーがどうやって自分軸を作っていけるのか、というところに迫っていきたいと思います。

(後編に続く)

 


 

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