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インタビュー

川嶋治子『VUCA時代を生きる、リーダーの為の【自分軸】の作り方』

川嶋治子『VUCA時代を生きるリーダーの為の【自分軸】の作り方』

前回に引き続き、「VUCA時代のリーダーシップ」について弊社代表川嶋がインタビュー形式で解説いたしました。

自分自身との対話

ーー:前回はリーダーシップに自分軸がとっても大事というお話を伺いましたが、今回は自分軸を構築するにはどうしたらいいのか? 普段研修でお伝えされていることの中からエッセンスをお聞かせいただければと思います。

川嶋:ありがとうございます。 承知しました。リーダーになると、どうやったら人を導けるのかということに目がいくので、どうしても自分と人との間の影響力を高める為のHow toが欲しくなっちゃうんですよね。

ーー:影響力高めたいですものね。

川嶋:自分軸というのはその前段階で、自分が自分と対話をして内省する(内側に省みる)ということが大切なんです。 

人にどう関わるか、人をどう導くか、というのは「対人」というところを考えているわけなんですが、 その前に、自分はどういう人間なのか、どういう価値観を持っているのか、どういうリーダーになりたいのか、それは何故なのか。ということを考えて掘り下げて言語化していくというプロセスが大事なんですね。

ーー:なるほど

川嶋:じゃあそれって実際どうやったらいいの?って思いますよね(笑)

ーー:大変そうですよね(笑)

川嶋:実際に簡単なプロセスではないんですが、平たく言うと、自問自答する時間が必要ですよ、ということなんですね。

それもただ悶々と自問自答するのではなくて、目的を持って、自分に問いかけて、考えた結果、言葉として書き出していくというプロセスが必要なんです。 これを実際のトレーニングだと時間をかけて行っていわけなんですけれども。

ーー:どれくらい時間をかけるものですか?

温泉を掘るように、自分軸を掘り下げる

川嶋:リーダーシップトレーニングは通常1年間かけるんですが、最初の3ヶ月間はLead Yourselfに特化していく、という形で進めていきます。

あ、3ヶ月間四六時中ずーっと考えているというわけじゃないですよ(笑)みなさん、生活もあり仕事もされていますから。

ではどうして3ヶ月かけるのかと言うと、トレーニングの中で問いかけをして、それを自分で見つけていけるような手助けを私たちがトレーニングの中でした上で、研修の時間内に必ずしも言葉が出てこないという方もいらっしゃるんですね。

何故かと言うと、今までそこについて考えたことがなかったり、これだけ多くの情報が行き交う社会で忙しく仕事と生活をしていると、落ち着いて自分の内側を探求して考えるということ自体が研修で初めてスタートするという方も中にはいらっしゃるからなんですね。

ーー:そこで初めて自分と向き合う。

川嶋:はい。求められることに対して最大限成果を出すということはやって来たかもしれないけれど、あらためて自分はどういう価値観を持っているのか、どういうリーダーシップを発揮していきたいのか自分に問いかけるのは初めてです、という方もいらっしゃるので。

イメージで言うと、そこに初めて穴を開けるといいますか。

ーー:ないところに穴を開けるみたいなイメージですね。

川嶋:そうそう、温泉を掘っていくような感じなので、(自分軸の掘り下げについては)期間を3ヶ月間とってトレーニングの中でももちろん扱うんですが、次回研修が1ヶ月後にある場合には、それまでの間ご自分で開いている時間にずっと向き合って考えて来てもらう、と言う設計にしているんです。

実際には、研修の中では大きく分けて6つの項目について、自分を掘り下げていくということをしていくのですが、今日はその中から大事なところだけ、いくつかポイントをお話ししたいと思います。

価値観、Purpose(目的意識)、あなたは何者か?

川嶋:まず1つ目は、価値観です。

私たちはビジネスをリードするリーダーでもあり、一人の人としても人生を前に進めていますので、人生で大事にしている価値観・ビジネス上プロフェッショナルとして大事にしている価値観をを掘り下げるというのがまず一つ。

2つ目は、目的。英語だとPurposeと言うのですが、どんな社会を作っていきたいのか、どんなリーダーになりたいのか、それは何故なのか?という目的意識ですね。

ーー:何のために、ですね。

川嶋:そうですね。まずは価値観と目的意識・Purposeを掘り下げていく必要があります。

もう一つ、私がとても大事にしているのは、あなたは何者か?に繋がるところのポイントがあります。

「あなたはどんなリーダーになりたいですか?」と問いかけると、とても有名なわかりやすいリーダーの名前を挙げられる方がとても多いんですね。

ーー:有名人の方?

川嶋:はい。例えば、孫さんのようになりたい、スティーブ・ジョブスのようになりたい、松下幸之助さんのようになりたい。という風に、偉大なリーダーは業績も挙げているし、突き抜けた成果を上げて自分を確立されている方が本になったりメディアでも多く紹介されるので、 どうしても私たちは偉大なリーダーの名前を引用するわけですね。

ーー:憧れていたり、その方の本から得たことが自分の考えかのように思えてしまうということもありますものね。

川嶋:影響を受けますからね。でも、その憧れのリーダーが自分とタイプが近い人かどうかという点は見落としがちなんですよ。

努力でそこまで上り詰められる人と、自分とタイプが全く違う人の場合、サンプルとした理想像は成功の方程式ではなく、もしかしたら失敗の方程式になってしまうかもしれない。

自分はどんな特徴を持っていて、どんな強みや才能・資質を持っているのか?を自覚するということも、自分軸を作っていくときの拠り所の一つにします。

憧れと本当の理想とのギャップ

ーー:なるほど。そこって意外と盲点と言いますか、自分がどういうタイプで、目指す像とフィットするのかを考えたことがない人は多いかもしれないですね。

川嶋:多いですね。憧れと本当の理想が違うケースもありますし、理想のために後からスキルを磨いて身につけられるものもあれば、自分が先天的に持っている才能や資質のタイプとマッチしないということもあって。

そこは調整が必要なんですね。 理想を取り替える必要はないんだけれど、調整をする。私は才能や強みはダイヤモンドの原石だと思っているので、せっかく持っている原石をどう磨いて人や社会の為に活かしていくのかという視点が抜け落ちていた場合には、自分の強みを自覚した上で、 あらためて理想のリーダー像は何かをもう一度考える・定義するということをしていきます。

ーー:なるほど。

川嶋:この3つは実は外から持ってくるものではなくて、自分の内側から見つけてくるものなんですね。

ーー:そうですね。いくら本を読んでも、講義やセミナーに行っても見つからないですよね。

川嶋:リーダーになるというと、今の自分は未熟者で、そこから必要なものを身につけて、身につけて、身につけて、磨いて、磨いて、磨いた結果、別物のリーダーになるというイメージを持っている方がとても多かったりするんですよ。

ーー:変身してスーパーマンになるみたいな(笑)

川嶋:そうそう。ただ、変身する材料が全て自分の中にあるという前提で、自分を掘り下げて、言語化していくのが内省するという内側の自分を省みて、自己対話、つまり、自分が自分と対話をしていくということなんですね。 価値観も、才能・資質も、目的意識も自分の中にある。それを見つけて言語化していくというのが大切ですね。

今日からできる、価値観の見つけ方

ーー:それを見つける為に今日からできることって何があるでしょうか?    

川嶋:才能や資質はアセスメントツールと言って専門的な診断テストを使って見つけて分析していきます。

今日ご紹介した3つの中で見つけるのが一番簡単なのが価値観なので、そのお話をしますね。 価値観のもっともっと入り口にあるのが、好きか嫌いか、快適か不快か、といった五感的・感覚的な領域があるんですね。 シンプルに自分が好きか嫌いか、自分にとって心地がいいか、不快かという2種類を、ノートのページの真ん中に縦に線を引いて、例えば左側に「好き」右側に「嫌い」という風に思いつくままにどんどん書き出していくんですね。

ーー:例えばどんなことを書けばいいんですか?

川嶋:例えば、こんな空間が好き、こんな音が好き、こんな色が好き、こんな肌触りが好き、こんな言葉が好き、こんな人が好き、こんな表情を見ているのが好き、こんな時間が好き、こんな会話が好きというような、 色・空間などの五感を使ったもの、それから、言葉や人こんな瞬間など、人物や現実に経験するような物事を具体的に書き出していきます。

ーー:具体的に書いていいんですね。

川嶋:はい。これ、人によって好きなものから思い浮かぶ人と、嫌いなものから思い浮かぶ人といるんですね。

ーー:どっちだろう(笑)

川嶋:これはどちらから思い浮かんでもいいんですね。脳のタイプでどちらが得意というのがあるので、向かいたい人、理想の状態に向かいたい人は好きなものから順に思い浮かぶ、嫌なものを避けたい人は嫌いなものから思い浮かぶ傾向にあります。 どちらからでもいいので、思いついた方からどんどんどんどん書いていくと呼び水になって反対側も引き出されてきますので、理性を介さない五感や感覚に基づくものが出てきます。 できれば手書きの方が引き出されてくるのでオススメです。書き終えたら、それを俯瞰して眺めてみると傾向が見えてくるんですね。自分はどういうことが好きでどういうことを嫌だと思っているのか。 それを更に一段掘り下げていていくと、確かに私は仕事上こういうことがあるととても強く憤りを感じるな、とか、確かにこういう時間はとても心地よく感じるなといったことに気づいていきます。

ーー:なるほど。

自分を受容できた分だけ、他者に寛容になれる

川嶋:この好き嫌い・快適不快は人によって全然違うので、まずは自分を知る入り口にしていただけたらと思います。

ーー:あらためてそうやって書き出すといろいろ見えてきそうですね。

川嶋:色々見えてくるんですよ。これが自分を知る入り口で、自分を知っていく喜びを知っていただくといいなと思うんですね。 私たちは「自分が自分である」ということを受容する・受け入れられる分量が増える分だけ、私たちは自分以外の人も「他者がその人でいる」ということに対しても寛容でいられるようになるんです。

ーー:今、サラッとおっしゃいましたけれど、とても重要なことのような気がします。

川嶋:そうですね。ここはとても重要なところです。 自分が自分でいるということにOKが出ないと、私だって無理してリーダーしてるんだから、あなただって少しくらい無理しなさいよ、っていう気持ちになったりしません?

ーー:なります。こっちも我慢してるんだから、そっちも我慢して、みたいな。

川嶋:だからこそ、自分軸が大事なんですよ。 リーダーになって責任が増えれば増えるほど関わる人が増えて、多くの人を受容できて多くの人を導くための器を大きくしていく必要があるので。

ーー:器ですよね。

川嶋:はい。そのためには、自分以外の誰かを受容する前に、自分自身を360度受け入れるというのが、とってもとっても大事な基盤になるんです。

ーー:基礎の基礎。土台という感じですね。

川嶋:人をリードする前にリードすべき人物は自分自身だよ、ということで、人をリードする前に自分を受容する。 そのためには、自分はどんな価値観を持っているのか、どんな才能や資質を持っているのか、どんな目的意識を持っているのか見つけていくことが大事、ということですね。

ーー:すごく濃いお話でした。ありがとうございました。今回はリーダーシップを発揮するためにその基礎となる「Lead Yourself」について教えていただきました。

川嶋:ありがとうございました。

 

解説:ウーマンズ リーダーシップ インスティテュート株式会社 代表取締役 川嶋治子 


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